集合住宅の火災で住民結束 4階から飛び降りた子供2人を素手でキャッチ

「火事場の馬鹿力」とはまさにこのこと。危機感を募らせた男たちが見せた心意気とパワーに称賛の声が集まっている。

2020/07/26 16:40

マンション火災・火事
(SergeyToronto/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

集合住宅で火災が起き、安全な場所に逃げることができていた住民は、隣人が危険な状況で取り残されていると知って結束した。訓練を受けていないと大きなリスクがあることを承知のうえで、“キャッチ”に挑戦したのだ。


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■集合住宅の4階から出火

フランス・オーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地域圏のグルノーブル市で、このほどある集合住宅の4階の部屋から火災が発生した。

住民の大半が建物前の中庭に避難し、火傷を負ったり煙を吸ったりした17人がグルノーブル大学病院に救急搬送され、治療を受けている。

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■逃げ遅れた3歳と10歳

この火災で最後に救出されたのは、出火元の世帯に暮らす3歳と10歳の2名だった。燃え盛る炎と黒い煙に囲まれ、完全に逃げ場を失った状態でそれぞれが窓から顔を出し、外に向かって大声で助けを求めるも、両親の姿が見えない。

消防車の到着も遅れており、先に避難していた住民たちは2人をひどく心配した。

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■厳しい条件下で…

待ったなしの状況に中庭の男たちは心の準備をし、10歳の子供に「最初に下の子を、次に君が飛び降りなさい」と大声で命令。両腕を大きく広げると「僕たちが受け止めるから」と叫んだ。

しかし条件は厳しかった。一階部分の天井はとても高く、実質的には5階の窓から飛び降りるようなもの。しかも真下には石でできたベンチのようなものが並んでおり、クッションや布団を重ねて緩衝用のマットとすることは難しかった。


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■子供たちの無傷を確認

ひとりずつ、回転しながら地面に向け落ちていった子供たち。男性たちは見事にそれを受け止めたが、うち2名は腕を負傷し病院に運ばれた。骨折の疑いがあるという。

子供たちは煙を吸った可能性があるものの無傷。ただし仏紙『ル・ドフィネ・リベレ』によれば、両親の所在がわからないという。やがて火は消し止められたが、残念ながら少年たちが暮らしていた部屋は全焼。警察が現在、火災の原因について調査を行っている。

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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

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