九州豪雨、氾濫怯える住民救うためパチンコ店員がとった行動に喝采の嵐

豪雨で道路が冠水する中、大分市のパチンコ店が、近隣住民に向けて立体駐車場を無料開放。ネット上で称賛の声が殺到している。

2020/07/09 05:00

マルハン
(画像提供:マルハン本社広報課)

8日0時、大分市で豪雨が発生し、大分川に氾濫の危険性が高まり「避難勧告」を意味する警戒レベル4が発令された。

刻一刻と住民に危険が迫る中、近隣のマルハン大分古国府(ふるごう)店は、店長の判断のもと住民に向け駐車場を無料開放し、近隣住民が所有する車の浸水被害を防ぐ一助を担った。

この行動に、ネット上で「マルハンやるやん」「遠慮なく使わせていただきます!」と絶賛の声が殺到している。


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■氾濫に備え駐車場を開放

同店公式ツイッターアカウントは8日、「立体駐車場の3階を開放させていただいております。近所にお住まいで不安な方は車を停めていただいて構いません。早くこの雨が止んでくれることを切に願います」とコメントを添え、同市内に発令された避難勧告のスクリーンショットとともに呼びかけた。

同店の立体駐車場は1階から4階(屋上)の構造になっており、服部店長によると、3階と屋上部分を優先的に開放。ツイートしてまもなく、感謝の言葉とともに住民が徐々にやって来て、その数150台ほどにのぼったという。

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■道路が冠水していたのを目撃し…

店舗に被害はなかったが、大分川の横に位置し周辺道路が20センチほど冠水するなど、ツイート直前に「水かさが増していた」と当時の緊迫した状況を明かす服部店長。

「8日0時過ぎから雨脚が強くなり、その後避難勧告のエリアメールが来て…。『危ないかも』と思い、すかさずツイートして駐車場開放に向けて部下に指示を送りました」(服部店長)

「身の回りを確認して今なら受け入れても大丈夫、立体駐車場なので水に浸かることもないだろう」と判断し、車の受け入れを開始したといい、リアルタイムで迅速に行動していたと振り返る。

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■拡散されたことに喜ぶ

その後のツイートで8日まで開放している、とつづっていたが、「期限を設けないことにしました。車で来た方には焦らなくても構いません」と寛大な対応を見せる。

冠水した道路の水も引き、服部店長が8日9時頃、駐車場を確認すると20台ほど残っていたが「今日中に残っていた車がなくなれば施錠しますが、残っていれば開放は続けます」とも続けた。

この行動に、ツイッター上では「本当の意味での地域密着!」「なんて素敵な対応!」などと称賛され、8日16時時点で8,500以上のリツイート、9,000を超えるいいねがつくほど拡散されれている。

その状況を見た服部店長は、「率直に有難かったです。もともと多くの方に見られてなかったアカウントで、スタッフ間でリツイートさせていこうと思っていたのですが、どんどん広がってびっくりしました。ツイート後には、車もバンバン来たので、拡散してくれて有難かったです。改めてツイッターのすごさを知りました。自分一人の力ではできなかったことですね」と喜んでいた。


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■現場の判断に任せている

「地域に役立ててればとの一心でした。住民が残るのであれば避難所として使うのもやぶさかではありません」とも語った服部店長。

マルハンの本社広報課によると、災害など緊急時において各店舗で安全が確認されていれば、各店舗の判断のもと、地域住民に向け駐車場や店舗開放などの活動を認めているという。

店によっては、各行政と協定を結び災害時に役立てているが、今回の店舗では結んでおらず、服部店長独自の判断だった。

「『地域社会に貢献する』というスローガンはありますが、細かいルールはないです」と話す広報課。店長の臨機応変な対応が、住民を助ける行動につながった。

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(取材・文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部

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