鍵に興味をもった3歳児に悲劇 火事で家から出られず一酸化炭素中毒死

2~3歳の子供たちは日常生活のなかで、「施錠」という行為を強い興味とともに見るようになる。

2020/05/25 10:00

子供・鍵
(Tetiana Soares/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

ガチャンという音とともに玄関ドアが固く締まり、締め出された相手は中に入れず困ってしまう。そんな様子が楽しく、「施錠」をちょっと意地悪ないたずらとして覚えてしまう幼児は少なくない。

だが解錠の仕方はわかっているのだろうか。オーストラリアで最近起きた、ある火災の話題が人々の関心を集めている。


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■手をつないだ幼い姉妹の遺体

オーストラリア・ニューサウスウェールズ州のバトローで今月18日、シングルマザーのタンキア・フォードさん(29)と3人の子供が暮らす民家から火災が発生。火元は居間の暖炉だった。

消防隊員はその後、焼け跡から幼い子供たちの遺体を発見。3歳の双子の娘で、仲良しだった2人は最期にも手をつないでいたという。

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■背後で「ガチャン」と玄関が…

もはや自力で火を消し止められないと悟ると、タンキアさんは最初に5歳の息子ジェフリーくんの手を引いて家の外へ。動かずそこで待つようにと諭していた。

するとその時、普段から鍵に強い興味を示していた双子の娘アイシャちゃんとライラニちゃんが、内側から「ガチャン」と玄関の鍵をかけてしまった。3歳児独特の純粋ないたずらとはいえ、タイミングがあまりにも悪すぎた。

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■煙に襲われ動けなくなる

ドアを叩きながら娘たちに「鍵を開けて!」と必死に訴えたタンキアさん。しかし幼い娘たちは開錠の仕方がわからずパニックに陥り、泣き叫ぶばかりだった。

誰も頑強なドアを開けられず、窓を割るも鋭いガラスで腕は傷だらけに。消防車の到着にも時間がかかっていたなか、アイシャちゃんとライラニちゃんはほどなくして意識を失い、一酸化炭素中毒で死亡した。

近隣住民も、幼い姉妹の早すぎる死を嘆き悲しむとともに、炎ではなく煙を吸って亡くなることの恐ろしさを目の当たりにし、強いショックを受けている。


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■「施錠」にわくわくする幼児

ゴミを出しに、ポストを見に、回覧板を届けになどという、「ちょっとの間」に子供が内側から鍵をかけ、親が締め出されてしまう“幼児あるある”のアクシデント。

このたびの悲劇と同様、3歳にもなると鍵に強い関心を示し、実行に移す子がいきなり増える。トイレに入れば鍵をかけると主張し、指の力がついてくれば、固いのに90度回すタイプの玄関の鍵をかけてしまう子もいる。

問題は、逆方向に回す(引く)という発想ができず、開けられなくなってしまうことだ。どうか「ちょっとの間」でも親は必ず鍵を持って出てほしい。

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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

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