子を持つ親たちが当惑・反対する「9月入学案」 教員が賛成する理由とは

現在新型コロナウイルスの影響で学校での授業が行えない状況にある。そんな中「9月入学案」が囁かれる中現場の教員はどのように思っているのだろうか。

2020/05/07 08:40

悩む男の子
(takasuu/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

現在、新型コロナウイルスの影響で幼稚園から大学まで、ほとんどの教育機関が休校措置を余儀なくされている。そんな中、取りざたされた「9月入学案」に対し、現場の教員、子を持つ親たちはどのように感じているのだろうか。


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■9月入学案とは

新型コロナウイルスの終息が見えず、学校の休校が長期化していることが問題視されている。4月29日、安倍晋三首相はこの穴埋めについて「さまざまな選択肢を検討したい」と言及しており、野党や一部の知事からは「9月入学・新学期」の声も上がっている。

これまでは、調整が厳しいとして現実味を帯びることがなかった「9月入学案」。

世界的に見れば標準的スケジューリングとされており、メリットとしては留学のしやすさ、デメリットとしては入試時期の混乱や、タイムラグが生じないよう幼稚園から大学まですべての足並みを揃えなくてはいけないこと、現状は4月が新卒入社の時期となっているため就職が半年ずれ込むことなどが挙げられる。

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■子を持つ親たちは不安・反対

現在、休校措置により自宅待機を余儀なくされている子供を持つ親たちは「9月入学案」をどう思っているのだろうか。記者が実際に休学状態にある子を持つ男女数名に取材を行なった。

今年4月小学校に入学した子を持つ30代男性は、「入学式がなくなり、授業も受けられていない状況。まだ小学校に入学したという意識が無いみたいです。9月入学が良いかは内容を見ないとなんともいえない。学習期間が半年短いのはマイナスなので、穴埋めになる授業をオンラインで受けられるようにはしてほしい」と吐露。

現在、保育園に子供を預けて働く20代女性は、「9月入学案は世界的にはスタンダードかもしれないけど、今の大混乱となっている最中、これだけ大きな変更をすることには、漠然とした不安がある…」といった戸惑い声が見られた。

また、小学校高学年・低学年の子供を持つ40代男性は、「9月入学には反対です。高学年の子供は中学受験も控えており、ただでさえ不確定要素が増えている状況で、受験日がいつになるのか、いつまで受験勉強が続くのかなど、不安しかありません」とコメント。

続けて「学習塾はすでに当然のように始めているオンライン授業を一刻も早く始め、在宅でも1学期をスタートさせるべきです」と現在の自宅待機に対し苦言を呈し、早急な授業のオンライン化を求める声も見られた。

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