米国帰りの若者が自主隔離を守らずパーティへ 新型コロナ大量感染で禁錮15年か

新型コロナウイルスの水際対策は重要だ。流行地から戻った者には「自分は感染者だ」くらいの自覚が求められるという。

2020/03/30 10:00

新型コロナウイルス・COVID-19
(画像提供:米国CDC)

新型コロナウイルスへの感染が新しく確認される者のなかに、ご存じの通り欧州諸国や米国など流行地からの帰国者が増えている。

多くの国が今、水際対策として入国拒否の対象を数十か国に増やしているが、PCR検査や14日間にわたる自主隔離を条件に、自国民の帰国だけは受け入れている。そんな状況のなか、ひとりの若者によるとんだ裏切り行為で感染が広がっていたことがわかった。


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■自主隔離を義務付けられるも…

アルゼンチンのブエノスアイレスで今、エリック・トラレスという24歳の男が、新型コロナウイルスの悪質なスーパースプレッダー(10人以上にウイルスをうつした感染源)だとして槍玉に挙げられている。

トラレスは3月13日、新型コロナウイルスの感染者数がイタリアや中国を抜いて今や世界ワースト1というアメリカの流行地から帰国。空港の検疫でアルゼンチン政府が帰国者に義務付けた「14日間の自主隔離」に従うと誓約したにもかかわらず、彼はある友人のバースデイパーティに出席していた。

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■パーティ出席者が次々と感染

アルゼンチンのニュースチャンネル「トド・ノティシアス(Todo Noticias)」が報じたところによれば、パーティの数日後にトラレスは体調不良に陥り、そこで新型コロナウイルスに感染していたことが判明。

その後パーティ出席者約100名のうち、肺炎が重症化するリスクがある76歳と79歳の高齢者を含む少なくとも11名の感染も判明し、20人ほどが隔離に入った。

トラレスはパーティ以外にも外出していたことから、ほかにも濃厚接触者がいるとみて保健当局が調査や検査に追われているという。

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■当局は身勝手な若者を許さず

米国のウイルス流行地で新型コロナに感染したかもしれない自分が、大勢の人が集まるイベントに出席して周囲にウイルスをまき散らし、もしも誰かの肺炎が重症化したらどう責任を取るのか、そこまで考えなかったトラレス。

空港の検疫や政府の命令を甘く捉え、帰国後の行動のひとつひとつが無責任かつ軽率だったこの男は正式に起訴された。もしも裁判で有罪となった場合は、最高で懲役15年の実刑判決が言い渡される可能性があるという。


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■大流行の前から厳しく

世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)を表明し、徐々に警戒感が高まっている南米諸国。アルゼンチンでは日本時間の3月29日午後5時半現在、745名の新型コロナウイルスの感染者と19名の死者が確認されている。

なお、3月20日からは「全国隔離措置」として一斉の行動制限(不要不急の外出禁止)が敷かれており、フェルナンデス大統領は「もはや自粛や要請といった甘いものではない。決まりを破った場合は罰金刑を科す」と厳しい口調で発表していた。

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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

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