「コロナ対策でキャッシュレス決済を勧めた覚えない」 WHOが異例の訂正コメント

新型コロナウイルスの感染を広める可能性に関し、世界保健機関(WHO)の広報担当者を取材した記事が発端だった。

2020/03/10 09:00

Tedros Adhanom・WHO・テドロス

新型コロナウイルス感染拡大が収まらないなか、イギリスのメディア「デイリー・テレグラフ(The Telegraph)」が、紙幣を通じてウイルスの感染が広がる可能性に関して世界保健機関(以下WHO)を取材。その際に得られた回答が物議を醸している。


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■現金で感染はあり得る?

問題の記事には、WHOからのコメントとして「現金にはあらゆるバクテリアやウイルスが付着している」という説明に加え、「感染は十分にあり得る。紙幣を扱った後は手を洗い、そして顔に触れないようにすることをお勧めします」との回答が紹介されていた。

WHOの職員はさらに「もし可能であれば、支払いは現金でなくキャッシュレス決済がお勧めです」とも付け加えたが、キャッシュレス決済のシステムが整っている国ばかりではない。国連の機関にもかかわらず、ずいぶん安易な提案をしたという印象だ。

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■WHO広報担当者が訂正

その報道が波紋を広げてしまったことを受け、WHOの広報担当者は米国のメディアに「ウイルス感染を防ぐ方法として、人々にキャッシュレス決済を勧めた事実はない」と異例のコメントを出し、改めて話題になっている。

ただし「お金を扱った後も含め、感染予防のためにはしっかり手を洗うことが重要」という点は強調した模様だ。

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■荷物や手紙での感染例はない

ちなみに日本の厚生労働省の新型コロナウイルスに関するQ&Aサイトでは、「感染者が出た場所から送られてくる手紙や荷物は安全なのか」といった問いに、「そうした物との接触による感染例はまだ報告されていない」としている。

また、WHOのコメントとして「コロナウイルスは一般的に、手紙や荷物のような物に付着しても長時間生き残ることはできない」と記されている。


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■ドル紙幣は回収後に隔離

米国・連邦準備制度理事会(FRB)は今月6日、中国・韓国・日本などで使用されたドル紙幣を回収後に7日以上隔離し、検疫を経て市場に流れるようにしていることを明らかにした。

現金のやりとりは、日々どこの誰が使ったかわからない物を素手でやりとりすること。紙幣や硬貨の不潔さについては昔からしばしば取り沙汰されてきたが、新型コロナウイルスの大流行が見えてきた今、世界中で改めて話題に上る機会が増えているようだ。

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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

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