TBSドラマ『テセウスの船』が熱い 主人公が早くも正体をバラした理由とは

竹内涼真、鈴木亮平、榮倉奈々、ユースケ・サンタマリアらが出演するドラマ『テセウスの船』が面白い。

■エンタメによる時間争奪戦は激化

近年の『週刊少年ジャンプ』を見てもギャグ漫画はなかなか定着しづらく、『銀魂』を象徴として、ギャグ漫画においてもストーリー展開が求められる。

ネットの台頭により、 エンターテインメントによる可処分時間の奪い合いは激化しているからだろう。特にスマートフォンやタブレットで日常的に見ることができるWeb 上のコンテンツは従来のエンタメメディアを侵食している。

少年ジャンプなどの雑誌にしろ、テレビにしろ、十分に続きが気になるものでなければ受け手を維持できないのだろう。基本的に特定時間に公開されるTVドラマは 、続きが気になるエンタメとして視聴者を一層に惹き付けなければならない。


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■人生賭けた駆け引きスリル

主人公が未来を先取りしている有利性を保持しつつ、 真犯人と駆け引きをする様は、漫画『デスノート』のようなスリルを持つ。主人公の行動は十分に合理的かつ現実的であり、物語のために手を抜いてるような茶番はない。

物語に都合よい行動を避けるが如く、第3話では早くも父である鈴木亮平に主人公は正体を全てバラしている。むしろWeb上では、「主人公の行動がポンコツだ」という意見もあるようだ。

しかし、咄嗟の判断において、ベストでない行動をする場合はむしろ現実的だ。咄嗟の判断が多い点と、特に主人公が天才設定でない点は、「デスノート」との違いはある。

早くも主人公が正体をバラし始めた点からしても、合理的行動のスリルを保っていると判断できる。鈴木亮平やユースケ・サンタマリアの好演も光る今作、この勢いを保持し続ければかなりの大作になるだろう。今後の視聴率も期待できる。

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(文/メディア評論家・宮室 信洋

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