飛行機のエンジンに「幸運のコイン」投入 男性に186万円の支払い命令

高齢者だから、初めての空の旅だからと大目に見てもらってきたその行為。しかし今後は…。

2020/01/05 16:40

飛行機・エンジン
(Ahrys_Art/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

非常にデリケートな旅客機のエンジンに「お賽銭」感覚でコインを投入。これは飛行機の安全な運航をさまたげかねない、きわめて危険で愚かな行為だ。


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■左エンジンに硬貨2枚

昨年2月17日、中国のラッキー・エア/雲南祥鵬航空(うんなんしょうほうこうくう)において、安徽省安慶市から雲南省昆明市に向けて飛ぶ予定だった旅客機の左エンジンに、1人の男の乗客が1元硬貨2枚を投げ入れる事件が起きていた。

それは中国人ならではのお賽銭感覚の行為。誰が考えたのか「コインの投入で安全な空の旅が叶う」という迷信だ。

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■初めての空の旅でつい…

とんだ愚行を働いたのは28歳の男性。当局との事情聴取のなかで「人生で初めて飛行機に乗るところで、同伴の妻子のためにも安全な空の旅をと願をかけた」などと説明し、身柄は7日間も拘束された。

彼は「こんなことになるとは想像していなかった」と話した模様だが、その身勝手な行為により当日のフライトはキャンセルに。

乗客162名が遅延で迷惑をこうむったほか、エンジンの再度の点検が必要となったラッキー・エアは計14万元(日本円にして約217万円)の損害を計上した。

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■「厳重注意」の時代が終わる

これまでコインを投入するのは地方在住の高齢者がほとんどで、航空券が高額ということもあり、ほとんどが厳重注意で済んでいた。

だが、ラッキー・エアはついにコインを投入した本人あるいは家族に被害額を請求することを決断。裁判所もその訴えを認め、このほど男性には12万人民元(約186万円)の支払い命令が下った。


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■かねてから厳罰を望む声

わかっているだけでも同様の事件が8回も起きている中国。かねてから、「厳罰や民事訴訟が待っているという認識が搭乗者側にも必要だ。本人が知らなくとも家族が責任をもって教えるべきだ」という世間の声があり、それもラッキー・エアの決断を後押しした形だ。

特にこのコイン投入行為が頻発した昨年には、中国語と英語の両方でそれを禁じる看板をターミナルに設置する空港が現れて話題になった。

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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

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