「世界一危険な登山道」自撮りで滑落死 国に損害賠償を求めるのはアリか

自撮りによる滑落死亡事故が絶えない昨今。残された遺族の気持ちもわからないではないが…。 

2019/11/17 07:45

危険自撮り
(lzf/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

自撮りに夢中で足元の注意がおろそかになり、無念にも滑落。よくて重傷、最悪の場合は死が待っていることだろう。その責任はいったい誰にある…!?


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■世界一危険な登山道で

急峻な岩山が連なり、多くの寺院が点在することで知られる中国陝西省の華山。中国五名山の一つで、『奇険天下第一山(世界一危険な登山道)』の異名をとる「長空桟道」が有名だ。

そこで先月下旬、危険をかえりみず自撮りに挑戦した女子大生が滑落死。「登山者の安全保護対策と管理が行き届いていないため娘は犠牲になった」として、遺族が華山国立公園側を強く非難したことから問題が勃発した。

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■死亡弔慰金では不満な遺族

国立公園側はその事故後、「人道上の見地から」として遺族に40,000元(日本円にして約62万円)を死亡弔慰金として支払いたいと申し出た。

ところが遺族は「それでは足りない」と国立公園側に高額の損害賠償を請求。それに対し、国立公園側は「そもそもお嬢さんの危険な行動に責任がある。損害賠償という意味あいのお金は支払えない」と拒否。協議は決裂してしまった。

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■自撮りは自己責任で

この話題は梨視頻(Pear Video)を通じてSNS・微博(ウェイボー)のネチズンをも炎上させた。

「自撮りは危険と警告もある」「成人で判断能力のある彼女に全責任」という意見が目立ち、ネチズンの多くが国立公園側は悪くないと主張。

「過去に大変な数の人が滑落死しているのに放置していたのなら国立公園側に大きな責任がある。だがそうではない以上、今回の事故の責任を彼らが負う必要はない」という意見が最も支持を集めている模様だ。


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■人を通すことの責任

ただし「すべての高層ビルに、自殺やそれに伴う責任の発生を回避するための保護ネットが設置されている。これを考えると、危険な登山道を危険なままにして観光客を呼んでいることはやはり問題。国立公園側は彼女の死について一部責任を負うべき」という意見もあるようだ。

自分の早すぎる死を嘆く両親と、世界でも有名な景勝地との間でとんだトラブルが起きているという今の状況に、女性もあの世でおそらく涙を流していることだろう。「自撮りは必ず安全な場所で」と常日頃から心掛けたいものだ。

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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

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