「ハリーポッターは有害」 図書館から撤去したカトリック系私立有名校

書物の選択は「宗教色に合っているかどうか」が大切で、人気は二の次だという。

2019/09/03 09:00

図書館
(Thi Soares/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

ワクワクさせてくれるものが大好き。何にでも興味津々という年頃の子供たちが通うスクールで、このほど図書館から人気の『ハリーポッター』シリーズが消えた。なぜそんなことが起きてしまったのか?


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■ハリポタ・シリーズ7冊を撤去

米国テネシー州ナッシュビルにある、カトリック系名門私立校の「セント・エドワード・カトリックスクール(St. Edward Catholic School)」。

幼稚園から中学校までの元気な子供たちが通うこの学校では、夏休み明けに新しい図書館がオープンしたが、その棚に『ハリー・ポッター』シリーズ7冊は存在しない。

世界の子供たちに大人気のハリポタ・シリーズは、映画だけでなく本も読むという子が多い。それだけに、まさかの「有害図書」認定には世間も驚きを隠せないもようだ。

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■有害図書とみなされた理由

なぜ子供たちに冒険心、現実逃避の楽しみ、壮大な夢や興奮を与え続けてきた『ハリーポッター』が有害だとみなされてしまったのか。それはこの作品が扱うテーマにあるという。

登場人物の多くが子供たちであろうとも、悪魔、呪文、悪魔祓いなどのワードが並び、魔法、魔術にも善悪の両方が存在する。また、誤った呪術は人々に誤解を与えかねないとのこと。カトリック教会として、こうした由々しき問題を容認するわけにはいかないそうだ。

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■「信じられない」と呆れる人々

やはり、この学校の判断に対しては批判の声が高まっている。

「ただのファンタジー小説なのに、なぜ有害図書扱いなの?」


「ハリポタ・シリーズはどこの学校でも大人気。子供たちがかわいそう」


「分厚い本なのに読破できた、記念すべき最初の本。ハリーポッターは読書の楽しみを教えてくれたよ」


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■地元の有力な神父が判断

この動きを推し進めたのは、地元では有力者とされるローマン・カトリック教会のある神父だった。米国およびイタリア・ローマの祓魔師(エクソシスト)と繰り返し相談したうえで、ハリーポッター・シリーズのコンテンツを有害とみなしたという。

現在、セント・エドワードの職員は児童から噴出する不満の声への対応に追われており、保護者から寄せられる疑問に対しては校長が丁寧なメールを返信。

「保護者の皆さまにおかれましては、メディアの報道や世間の声などに流されることなく、カトリック教徒として強い信仰心を持ち続けていただきたい」と訴えている。


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■神父の権限は絶大

このセント・エドワードにおいて実権を握っているのは、その神父をはじめとする聖職者たちだった。そのため図書館の蔵書についての検閲ばかりか、学校運営のあらゆる面で彼らの宗教色の濃い考え方や助言が優先されるという。

それでも校長は、今後の図書館の運営に関して「魅力的で良質、かつ読書の楽しさを感じさせてくれる書物の所蔵にこだわっていきます」と約束している。誰もがこの説明で納得してくれればよいのだが…。

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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

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