「波のプール」造波装置が故障 あり得ない高波に襲われ44名が重軽傷

ウォーターパーク運営に何より欠かせない安全点検。体制は万全だったのか。

2019/08/03 14:00

プール子供
(yaoinlove/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

どこのプール、ウォーターパークも大繁盛というこの時期。警戒心もなく肌の露出が多い分、そこで起きる事故には深刻なものが多い。


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■「津波級の破壊力」と報道

北朝鮮にも近い、中国・吉林省延辺朝鮮族自治州の龍井(ロンジン)市にある『Yulong Shuiyun Water Park』というウォーターパークから、恐ろしい事故の話題が伝えられた。

2015年のオープン以来、年間約50万人が利用していたというそのウォーターパークで先月28日、「波のプール」において造波装置に不具合が発生。あり得ない高波に襲われ、プールに入っていた44名が重軽傷を負った。

骨折した者も多く、中国の大手メディアはいずれもその波のパワーについて「津波のよう」と表現している。

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■骨折や流血のなかで救助を待つ

当時そのウォーターパークには数百名がおり、波のプールは大人と浮き輪を使った子供たちで大変賑わっていた。突然の高波にさらわれ、そのほとんどがプールの外に投げ出されたという。

波は高いばかりか強い破壊力を持っていた。直撃を受けた者は肋骨を折るなどしており、固い地面に体を強打した者においても骨折や打撲が確認され、血を流す者も少なくなかった。

ウォーターパークの場内には音楽が流れ、子供たちが上げる大きな歓声が響き渡っている。激しい波が発生したことに気づいた者は多くはなく、いきなり襲われたといっても過言ではない。現在このウォーターパークは営業を休止しており、事故の原因について詳しい調査が行われている。

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■恐ろしい事故も多いプール

毎年この時期になると、いきなり増えてくる国内外のプールやウォーターパークでの事故。海外で起きた恐ろしい事例をいくつか紹介してみたい。

・当時46歳のイギリス人男性がリゾートホテルのプールにあるウォータースライダーでスピードを出し過ぎ、プールの壁に激突して右足首の上にぽっかりと穴が開く。


脛骨の感染症も起き、骨の一部を切除するなど5度の手術が必要となった。(2014年3月に報道 トルコ・イズミール市)


・民営プールでスイミング教室を終えた当時14歳の少年が、プール内の循環ろ過フィルターにかぶせてある格子型のフタを引っ張り、体を強く吸い寄せられ、腹部が破けて腸が吸い出された。(2017年6月 スペイン・バレンシア州で)


・民営ウォーターパークで、知的障害のある男が8歳男児を高さ9.4メートルのウォータースライダーから投げ落とし、負傷させた。動機については「混雑して順番待ちにイライラした」と説明している。(2018年7月 米国ミネソタ州で)


・ウォーターパークの傾斜のきついウォータースライダーを利用した25歳の女性が、子宮に亀裂が入ったことで2,800ccを超える大出血。水着の脇から水が股間に激しく入り込んだがことが原因。(2019年7月 スペイン領テネリフェ島で)


命にもかかわる危険な場所が意外にも多いプール。事前に注意喚起や正しい指導があれば、と悔やまれる例も多いようだ。しかしプールは大人にとっても子供にとっても最高の遊び場所のひとつ。運営者も、そして利用者も「安全に過ごしてこそ楽しめる」と心掛けたいものだ。

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(文/しらべぇ編集部・浅野ナオミ)浅野 ナオミ

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