女のズルさや欲望の生々しさ 『恋のツキ』徳永えりが演じ切るリアル

主演・徳永えりが感じている等身大の平ワコとは…

アラサー女性の主人公・平ワコが、赤裸々な欲望と現実との狭間で揺れる様子を描いていることで話題の『恋のツキ』(テレビ東京)が、今日深夜1時に第9話を迎える。

徳永えり演じる平ワコが、「つき合って4年、同棲して3年目」のマンネリ彼氏・ふうくん(渡辺大知)と別れ、16歳年下の高校生・伊古くん(神尾楓珠)との恋に踏み出し、物語は終盤へ。

等身大のヒロインを演じる徳永えりに、ワコのキャラクターや今後の見どころについて話を聞いた。


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■濡れ場が話題でも嫌じゃない

徳永えり

今作では「深夜とはいえ、地上波でここまで…」といった声が出るほど、大胆な濡れ場が多いことも話題のひとつ。こうした点が注目されることに、徳永は「嫌な気持ちにならない」と話す。

「自分でも“なんでなんだろう?”と考えたんですけど、原作の“なんてリアルなんだ”“痛々しいなぁ”“苦しいなぁ”って思っていた部分を実際に自分が演じた時、リアルというより生々しさ――ワコさんの心のヒダみたいなものが、ものすごく行ったり来たりするんです。

単純に彼女の中に普通の人間としての欲があって、でも30歳超えた今、もうこれ以上は満たされないかもって悩みがあって、でもまだ諦めきれない“あがき”があって…ワコさんが生きていて、当たり前の日常を描く中に、そういうシーンがある。

割と『生々しい』という言葉をみなさんからいただけるのも、もはやワコさんがキャラクターではなく、一人の人間として受け止めていただけていると感じています。だから、どこを切り取られても、絡みのシーンだけをピックアップされても、全然嫌な気持ちがしないんです」


人が人を評価する時、一つの仕草、一つの言動だけで、判断することは少なくない。一人の人間を演じきった中で、「どこを切り取って評価されても、嫌な気持ちはしない」と思えるのは、役を生きたからこその感情なのだろう。

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■女のズルさ

結婚や出産を考えながらも、結婚目前だったふうくんと別れ、伊古くんとの交際を選んだワコ。そこにはワコ自身の変化や、決意のようなものはあったのだろうか。

「ふうくんとのことは、セリフにもある『4年分の相性だった』というのがすごくピンと来てて、もうこれ以上はないというか、振り返ることはないんですよね。でもいざ、伊古くんとってなった時に、本当に未来のことだったり将来のことだったりを考えて、伊古くんとのことに踏み出したのか? って言われると怪しい…。

たぶんワコさんのちょっとズルいところというか、やっぱり一人は寂しい。伊古くんのことは好きだし、手を差し伸べてくれたから、“掴まない答えはないって感じで、掴んだ”って思えてならないんですよね。だから純粋だったかな…っていうと、ちょっとズルさもあるかな。たぶん答えが一つじゃなかったはずなんですよね。

文化祭へ行ってサカキって存在も知っちゃって、伊古くんが来てくれることもわかっている…なんかこの辺って妙にズルい気がするんです。なんか女としてのズルさと、でも純粋に伊古くんのことは好きで、『つき合ってください』って言われた時は本当に嬉しかっただろうし、結局感情が一つじゃない、安定しない――一番安定しない時に、新たなスタートを切ってしまった気がします」


ワコはマウンティングするようなタイプじゃないが、サカキに手紙を渡させる一種なんともいえない行動は、女性なら“あー。あるわ、そういうの”と思う独特さだし、なんとなく手を掴んでしまうことにも、共感する女子は多そうだ。

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